まるしてんblog 美作地方.岡山県をつらつら

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吉井川・旭川の流れの変遷(一例)

こんにちはまるしてんです。

8月21日(土)の山陽新聞ニュースで、西日本豪雨で甚大な被害が出た高梁川小田川の合流点を付け替える工事の進捗状況が報じられていました。

小田川の河道を貯水池を活用しながら変更し、高梁川との合流点を4.6キロ下流に移動する大工事です。

 

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国土交通省のパンフレット

岡山の三大河川、吉井川・旭川高梁川は古くから流域の住民の生活を支えてきただけでなく、文化や経済などの交流と発展に寄与してきました。一方で何度も氾濫を起こし人命や財産を奪ってきたことも事実です。

現代においては護岸工事の発展で大きく川の流れ(河道)はほとんど変わることはありませんが、3つの川は大規模な洪水で川の流れを度々変えています。

 

代表的例は津山市内の吉井川の流れです。元和7年(1621)の吉井川の大洪水で河道が大幅に変わっています。

かつて吉井川は二宮にある高野神社あたりから丘に沿って流れ、小田中を通って、藺田川と合流。田町を通過し鶴山の手前で曲がり、宮川と合流していました。

吉井川の流れが変わったことにより治水対策も行いながら、かつて高い位置を通っていた津山市西部にあたる出雲街道は慶安元年(1648年)に大きく道筋を変えて完成しています。

 

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昔の吉井川の流れ(イメージ)

もう一つ、姫新線古見駅に近い旭川の河道の変遷によるエピソードを紹介します。

真庭市の天津地区と野川地区はかつて地続きでしたが、洪水により旭川の流れが変わってしまい分断されてしまいます。野川地区は天津神社の氏子であるため、それ以来1970年代に福田大橋ができるまで、祭りの時は神輿を担いで旭川を渡っていました。

 

ダムや堤防、橋の建設など、土木技術は格段に進化しました。しかし地球温暖化による影響でしょうか。近年、日本ではかつて経験したことがない豪雨に見舞われ、自然災害は再び人間の技術を超えていきます。

自然災害をゼロにすることはできませんが、被害を最小限にすることやそのために環境問題に関心を寄せることが大切だと思います。