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美作の鉄道にまつわる不思議な話

暑い日が続きます。

夏といえば怪談やミステリー。

今日は美作の鉄道に関わるちょっと不思議な話を紹介します。

 

津山線建設工事に現れた怪力男「さださん」

明治31年、亀甲あたりの津山線(当時は中国鉄道)の建設工事現場に吉岡定次郎(さださん)という怪力の男がやってきた。4、5人で約200キロのレールを運んでいるのを見てさださんが笑うので、工夫が怒ったところ、さださんは1人でそのレールを持ち上げた。工夫はさださんに謝ったということだ。

 

津山口駅にあったお墓の話

津山線津山口駅にはかつてお墓があった。鉄道が開通した頃、駅で墓石を背負って来た男が行き倒れになって死んだ。気の毒に思った当時の駅員らは、男が背負っていた墓石を津山口駅の前に立てた。それに関係していたのか、津山口駅のトイレには幽霊が出ると言われていた。1971年に津山口駅が合理化で無人化になった際、当時の駅員が近くのお寺にお墓を移して供養したそうだ。

 

津山駅を守るお稲荷様

津山駅の敷地内には今でもお稲荷様が祀られている。このお稲荷様は駅ができる前からあったのだが、駅ができた当時お稲荷様は邪魔にされて近くの神社に移された。

津山駅ではまもなく駅が全焼したり、駅員が次々と病気になったりと災難が続いた。

これはお稲荷様のタタリだということになり、2年後にお稲荷様は元の場所に移し、構内守護神として今でも祀られている(写真)。

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毎月25日が祭日とされていて、国鉄時代は駅・機関区・保線区の代表が欠かさず集まっていた。このことを紹介した昭和56年の山陽新聞に記事によると、当時の機関区助役が「主要駅なのに昔から不思議と大きな事故がない。お稲荷様のおかげでしょうか」と取材に答えている。なお現在に至るまでも津山駅では大きな事故は起きていない。

※お稲荷さんは津山駅から津山まなびの鉄道館に向かう途中の国道沿いに鎮座しています(最上位稲荷大明神)。

 

因美線建設工事で人骨が多数見つかる

大正15年3月、因美線の建設工事で川の土砂を採取していたところ、数えきれないほどの人骨が次々と掘り出され一時工事が中断した。

実はこの場所は江戸時代、この地は津山藩の刑場で明治初めまでの間、明治初期まで多くの人が刑に処された場所だった。

そのため工事より遡ること10年前には、地元の有志が打ち捨てられていた「千人塚」を再建し、盛大な供養をしていたが、この出来事で参拝者約3000名を集めて再び盛大な納骨式が行なわれたのだ。

(記事を一部訂正します)

※千人塚は加茂川を渡る姫新線の鉄橋の近くにあり、今でも地元の人により丁寧に供養が行われています。

(写真)

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