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洗濯ダンス始まりました

4月3日から奥津温泉で足踏み洗濯が再開されたとのニュースが報じられています。

足踏み洗濯は別名「洗濯ダンス」と呼ばれていて、古くから奥津温泉のシンボル的な存在として定着しています。

OHKのニュース映像を見ると、2人で洗濯ダンスをしていますが、以前はもっとたくさんの人数で行われていました。

news.yahoo.co.jp

 

45年以上昔、奥津に住んでいた頃、私の母親も洗濯ダンスに駆り出されていました。

その頃の奥津温泉街は大変賑わっていました。日曜の朝になると宿泊客がこぞって奥津橋の歩道に詰めかけ、洗濯ダンスを見学しました。洗濯ダンスは集落内の女性が班を決めて輪番制で行い、現在とほぼ同じ格好で家にあるタオルなどの洗濯物を持参してリアルに洗っていました。なかには「夫の着ているものを持ってきて足で踏んでストレス解消する」という人もいたとかいなかったとか…。

ただ、リズムに合わせて洗濯するのは意外と難しいらしいようです。

洗濯ダンスは「奥津温泉小唄」のリズムに合わせて行われます。

奥津小唄は昭和4年、新民謡ブームの中で作られました。

(歌詞)

1、奥津なつかし湯ぶねの枕 夢をうつつにきく瀬音

  ヤンレヤレソレきく瀬音

2、かじかほろほろつつじも咲くに 可愛い其様はなぜ来ない

  ヤンレヤレソレなぜ来ない

3、逢うて別れりゃ大釣山に ないて時雨て散る紅葉

  ヤンレヤレソレ散る紅葉

4、旅は浮草うき寝の枕 一夜二夜じゃかえしゃせぬ

  ヤンレヤレソレかえしゃせぬ

5、やまめ可愛いや入れ墨ぼくろ 誰に見せとうて化粧する

  ヤンレヤレソレ化粧する

 

ダンスが行われている場所は、通称「洗濯場」と呼ばれています。

露天風呂のほか、奥に温泉を引いた小屋があり、なかには入浴する浴槽と洗濯する浴槽が並べてありました。

この温泉は、加水なしで源泉掛け流し。湯加減も冬は少しぬるく感じるくらいの言うことなしのもので、以前は地元の厚意で24時間いつでも誰でも入ることができたのですが、温泉で酒盛りをして、割れた瓶をそのまま放置するなどマナーの悪い人が増えて、20年ほど前から鍵がかけられ、入浴ができなくなったのは残念なことです。