日本最古の桃太郎伝説?
こんにちは
日本の昔話の中でも最も有名と言っても過言でも無い桃太郎の伝説。
岡山県の吉備津神社周辺(総社市)や香川県高松市、愛知県犬山市がその発祥の地としてアピールしていることは有名ですが、近年津山市の隣の町である美咲町が「桃太郎伝説地」として名乗りを挙げていることはご存じでしょうか。
美咲町は、かつて町内に存在していた三保村が昭和3年に発行した「三保村誌」で桃太郎伝説をいち早く取り上げていたことを2014年に発見、それから「日本一早く書物に載った桃太郎の伝説」として地元の有志を中心にアピールを繰り広げています。
美咲町の桃太郎伝説の概略ですが、西暦1140年ごろ桃太郎という豪傑が山に住んでいた悪い鬼を剣一撃で退治したことを記したもので、以後鬼が住んでいた山を「鬼山」、村人が喜んで祝詞をあげた地が「祝詞(のっと)」の地名の由来となったという内容です。
私たちがよく知っている桃太郎=桃から生まれて、鬼ヶ島にきび団子を分け与えた犬・猿・雉と鬼退治に行くものとだいぶ異なっています。
(写真は美咲町のウォーキングマップ)
実際、日本各地で伝わる桃太郎伝説は様々な内容があるようです。
青森から鹿児島までの153の桃太郎伝説を比較した「桃太郎の発生」(花部英雄著)によると、鬼の居場所が「鬼ヶ島」となっているのが93ヶ所、「山」「岩」「家」19ヶ所、場所が明記されておらず「鬼退治」となっているのが32ヶ所であったり、お供の動物(モノ)に犬・猿・雉以外が登場する話(蟹や臼、針など)が17ヶ所で収集されているとのことです。
また桃太郎の性格が「三年寝太郎」のように怠け者でありながら怪力の持ち主である話が岡山を中心に中四国では多く存在しているのも特徴として挙げられています。
昭和51年にまとめられた「岡山のむかし話」で紹介されている「桃太郎」も怠け者だが怪力の持ち主の桃太郎が殿様に頼まれて犬猿雉を連れて鬼ヶ島に鬼を退治しに行く話となっています。(話者は現在の真庭市の人と新見市の人が連名)
最後に桃太郎のアイテム吉備団子について。
吉備団子が岡山名物として有名になったのは、日清戦争から帰還した兵隊を相手に広島の宇品港で廣榮堂の主人が桃太郎の扮装で「日本一の吉備団子」と書いたのぼりを掲げて売り歩いたことがきっかけです。
吉備団子を買った兵隊さんは、列車で岡山駅を通過する際に「おーここが桃太郎の里かー」ときっと思ったことでしょう。