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鶴山の桜〜1,000本でも5,000本あるような見事さ〜

津山の本格的な春の到来を告げるイベント、津山さくらまつりが3月26日から開催されています。(鶴山公園の桜は3月27日に開花したそうです)

sakuramatsuri.e-tsuyama.com

 

鶴山公園は古くから全国でも名が知れた桜の名所で、約1,000本のソメイヨシノや牡丹桜などが植えられていて、岡山県内では唯一「日本のさくら名所100選」にも選ばれています。

この約1,000本という桜の本数ですが、実は10年くらい前までは5,000本とアナウンスされていました。私も「鶴山の桜は5,000本ある」と教えられ、最近まで信じ込んでいたものですからびっくりしました。随分と本数に差がありますが、満開の鶴山公園を一目見れば5,000本と説明があっても、長い間誰も信じて疑わなかった。それくらい見応えのある素晴らしい景色なんだと思います。

 

鶴山公園は、明治の廃城令以降荒れ果てていた津山城の跡地を明治32年に公園として整備することにしたのが始まりで、桜の植樹はその直後から始まっています。その後、全国的にも盛んだった日露戦争から凱旋した兵隊がその記念に桜の苗木を植えるということが鶴山公園でも盛んに取り組まれ、桜の名所となっていきます。(※真庭郡新庄村のがいせん桜も日露戦争からの凱旋を記念して植樹されたものです。)

そして、現在の姫新線が全線開通したことを記念して、昭和11年3月下旬から5月上旬にかけて津山市が開催した「姫津線全線開通記念産業振興大博覧会」が桜の開花の期間と重なり、特に県外からの観光客にも広く知られるようになったのでした。

 

私が津山で過ごした昭和50年〜60年代は桜の開花時期が今よりも遅く、春休みの終わりごろでもまだ早いくらいで、始業式が始まった後が花見のシーズンでした。なので学校が終わってから花見に行くことも珍しくなく、夜桜を楽しむ人も多かったのが印象的です。

重箱に巻き寿司や稲荷寿司、鳥の唐揚げ(チューリップ)などを詰めた重箱を持って、近所の人と一緒に家族ぐるみで花見をするというのがこの頃の思い出です。

土日など昼の明るいうちに花見に行ったときは、城の中にあった動物園にも行きました。

ちなみに津山では鶴山公園のことを「お城山」と呼んでいて、「お城山に上がって花見をする」などと言っていました。

 

コロナの影響で、まだ公園内でシートを敷き花見をすることはできないようですが、昨年よりも規模が大きく春を楽しめるようになったことはよかったです。

お近くの方はぜひ足を運んでみてください。