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とんどなど小正月あたりの行事

こんにちは

1月15日、昭和世代はこの日が成人の日でした。

さらに昔の人たちは正月の締めくくりの時期として様々な行事を取り行っていました。旧奥津町鏡野町の文献を読むと1月11日から15日の正月行事として以下のものが紹介されています。

 

1月11日 百姓始め。畑に行って鍬を12回(閏年は13回)打つ。おせち料理の田作りをそなえて「の」の字を書く様に鋤で田を起こすなど

1月13日 虚空蔵菩様 13歳の子どもが津山の万福寺に詣る

1月14日 とんど(左義長という地域も)

1月15日 井戸かえ 井戸の掃除と釣瓶の交換

1月15日 嫁御の尻叩き 新嫁の尻を子どもが藁や棒で叩いて子どもが産まれるように祈る

1月15日 トシオロシ 若歳様が帰る日としてお頭付きの魚を供る。この日まで仏を拝まない。

 

廃れた行事がほとんどですが、一三参りは旧暦で残り、「とんど」もまだ行なわれています。

とんどは全国各地で行われている行事で集落のとんど場や神社で松飾りや書き初めを燃やし、一年の無病息災を祈る行事です。

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鏡野町の資料(鏡野町史)によると

とんどは1月14日に注連飾りをおろし夕方に地区の辻に集まり、笹のついた竹で三ツ股を建てて注連飾りや若歳様の草履、書き初めを燃やす。竹の棒に餅を挟んで焼く。

灰を額に塗ると一年頭痛から逃れ、焼いた草履の上に足を置くと足の災厄にかからない。焼いた餅を床の間に置き、初雷の時に食べると雷避けになる。書き初めが煙と一緒に高く上がると字が上手くなるなどの俗習があったそうです。

 

私が子どもの時(40年前)も、とんどは集落で行われ、額に灰を塗ったり書き初めを燃やしていました。

しかし、草履を焼いたり、餅を床の間に置く風習はすでになく、焼いた鏡餅はその晩にぜんざいにして食べてました。固くてカビ臭かったです。

 

過疎化だけでなく、集落内で火を焚くことも少なくなりました。危ないとかダイオキシン問題とかあるようです。でも残ってほしい行事です。

東京ではとんどは行われないので市販の注連飾りですがゴミ袋に入れて出すことになるのは今でも抵抗感があります…。