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誕生寺ばばあが来る季節

立春を過ぎても今年は寒い日が続きます。

この季節、法然上人ゆかりの誕生寺では、旧暦1月25日に上人が亡くなられことをしのび、御忌大会式が行われます(2月25日前後)。「御忌(ぎょき)」とは、本来天皇の忌日にされる法要を指しますが、16世紀、後柏原天皇が勅詔を発し、法然上人の忌日法要に限っては「御忌」と呼ぶようになりました。

かつて、誕生寺近辺では御忌のあたりに寒い日が来ると「誕生寺ばばあが来た」と言っていました。

誕生寺ばばあの正体は、法然上人の母である秦氏君で、御忌に合わせて那岐山の神体を借りて、冷たい風とともに大蛇となって法然上人に逢いに来ているのだと言われています。そして御忌が終わって、誕生寺ばばあが去ると誕生寺にも春が訪れるのです。

 

美作国誕生寺は、1193年に法然上人の弟子・熊谷直実が、 法然上人の生である漆間家の屋敷跡に建立したのが始まりの歴史ある寺院で、ご本尊は法然上人が浄土宗のはじまりの時の姿を、法然上人自らが刻んだ「自刻御影(じこくみえい)」です。ちなみに法然上人は生前に誕生寺を訪れたことはなかったと言われています。

山門や御影堂は国の重要文化財に指定されてますし、岡山県で一番大きな仏像もあります。

時代が変わり、かつての賑わいがなくなっていますが、是非一度は訪れてほしい美作地方の名所です。

 

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写真はGoogle earthより