まるしてんblog 美作地方.岡山県をつらつら

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落合羊羹はうまい

お正月に帰省した際にまとめて買ってきた落合羊羹。

家族と少しづつ食べていましたが、ここにきて残り僅かになりました。

落合羊羹は200年以上の歴史がある菓子で、美味しいだけでなく、日持ちもするし、お手頃な値段でして、今や美作地方を代表するお土産として売られています。

商品は、板状で自分で包丁で切って食べるものと、一口サイズの高瀬舟の形をかたどったものの2種類がありますが、有名なのはやっぱり舟型。

子どものとき、みなさんも羊羹をこんなふうに並べて遊びませんでしたか?

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そして落合羊羹の特徴は、なんといっても表面が糖化してシャリシャリしていること。冬に空気に触れるようにしておくといっそう固くなりますが、これが好きな人が結構います。

高瀬舟の形のとおり羊羹が作られている旧落合町垂水地区はかつて高瀬舟の船着き場として栄えた場所で、川上からは農作物や木材が、川下からは町からの商品や海産物が行き交っていました。

羊羹の材料は小豆・砂糖・テングサ(寒天)・そして水です。

垂水(たるみ)地区は、その名のとおり水が豊富で、そこに川上から小豆が届き、川下から和三盆やテングサが届いたわけですから、美味しい羊羹が作られるようになったのも当然といえます。

真庭市商工会のホームページ

http://www.maniwasci.or.jp/2016/08/ochiai_yokan/

によると、現在落合羊羹を製造している事業所は5つあるそうで、写真を一つ一つ見ると「ああ確かに食べたことあるわ」という思い出がよみがえります。

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かつて、岡山県北部では小豆が盛んに栽培されていました。ハガリあるいはカリヤマと呼ばれる焼き畑での栽培です。雑木や下草を刈りはらい、乾燥させた後火を入れて種をまきます。かつて奥津町で行われていたハガリは、1年目は大根、2年目はソバ、3年目に小豆やキビと輪作した後植林をし、別の場所でハガリをするを繰り返すもので、昭和30年~40年代までおこなわれていたそうです。

歴史ある名産物には、その地方の人の営みや文化が垣間見えます。