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美作地方の鉄道②津山線の昭和22年11月時刻表

こんにちは

前回の姫新線に続けて、今日は昭和22年11月の津山線の時刻表を紹介します。

津山線はご存じの通り、中国鉄道本線として開業し、経営難と戦いながらもガソリンカーの導入などを先駆的に進め、戦争が激化する前には津山と岡山を最短1時間46分で結びました。

しかし昭和19年に国有化され、終戦を迎えます。

終戦直後の津山線はガソリンカーどころか客車もろくに用意出来ず、屋根なしの貨車での旅客輸送をすることもありました。

すし詰めや転落事故が相次いだ、津山線には『超殺人列車』という不名誉な異名がつけられており、昭和21年には通勤客から国鉄

①貨車の増配 ②一区間乗車の禁止 ③通勤監視委員の設置などを申し入れたそうです。(山陽新聞社 岡山の鉄道より)

 

そんな時代から抜け切らない津山線の昭和22年11月の時刻表を見てみました。

岡山ー津山7往復

岡山ー福渡2往復

岡山ー建部0.5往復 です。

岡山から津山までは、多くの列車は約2時間半ほど、一部列車は3時間近くかかっています。

戦争で中国鉄道の努力が一旦リセットされた形です。

特筆すべきことは津山線岡山駅からの始発列車が4時27分とかなり早いことです。

そしてこの列車は備前原と牧山を通過しています。朝4時台で乗降客が見込めないからでしょうか。それでも当時としては珍しいと思います。この始発列車は弓削0610→亀甲0634と停車して津山には6時56分に到着します。そして津山発7時36分発の鳥取行きに乗れば10時3分に鳥取に到着できますが、津山線国有化の歴史が浅いこともあり、岡山と鳥取を直通する列車はまだありません。

なお、この始発列車は新見方面、姫路方面との接続も便利にできていて、乗り換えすると林野には7時41分、中国勝山には8時28分には着くことができました。

逆に津山からの岡山行き始発は5時26分発と姫新線の勝山方面や因美線よりも遅い出発で、岡山には7時42分到着。所要時間は2時間16分です。なお岡山に一番早く着く列車は、福渡からでており、岡山には7時に到着する列車があります。7時台、8時台に3本の列車が岡山に到着するように設定されていた津山線は、明治から走る中国鉄道の伝統もあり、通勤通学に利用されていたことがわかります。

しかし石炭不足からでしょうか。岡山駅から9時15分に発車した次の列車は13時12分まで、津山駅では7時44分発車の次は12時15分まで列車が来ない時間帯があります。

最後に終列車についてですが、津山発17時36分→岡山着20時12分、岡山発19時27分→津山着22時30分です。

参考に津山駅から出発する新見行きの終列車は18時20分、林野方面(播磨新宮行き)の終列車は19時39分、鳥取行きの終列車も19時15分ですから、津山線はずいぶん早いと思います。

次回は因美線について書きます。