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五輪原の風力発電

こんにちは

先日の山陽新聞に五輪原高原に大規模な風力発電所の着工が10月から始まるとの記事が掲載されていました。

五輪原高原は津山市(旧加茂町)の標高1000メートルにある高原です。500万年前の火山の噴火による溶岩の堆積物により山頂付近に形成された平地で、蒜山高原や日本原高原と比べればはるかに規模は小さいものです。

昭和の末期から平成にかけて、ここは岡山県農地開発公社(現在は解散)が県営農地開発事業で大根畑として開発しましたが、苦戦します。(大根はおいしいです)

その後、2008年に風力発電の建設計画が持ち上がります。標高が高く平均して風が吹いていることが決め手になったようです。(近くの大ケ山はパラグライダーも飛んでます)

当時の計画は、高原付近に高さ135メートルの2500キロワット級の風車を32基建設し、8万キロワットの電力を電力会社に売る予定でしたが、天然ブナ林などの環境保全や景観問題、さらには国の電力買取制度の変更で計画が見直すことになり着工が遅れました。

今回、新聞記事によると高さは120メートルで4100キロワット級の風車を16基、5万1300キロワットの発電に変更されたようです。

イメージ図を見ると、確かに景観が大きく変わりそうです。

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2010年、当時の石井岡山県知事は「風力発電施設に対する美的価値観は人それぞれであろうが、自然公園に隣接する地域において建設されることは、本質的に大きな問題を内在するものであると考えざるを得ない」と発言していました。

五輪原の風力発電は完成すると20,795世帯分の電力を作ります。脱炭素社会への貢献は大きいはずです。一方で、メガソーラーや風力発電所が急増する背景には農林業の疲弊や過疎の問題も存在しており、チェックを怠ればかえって自然破壊になっていないかという危惧も持っています。